近代化の躍動を体感する日本遺産
横須賀の17の構成文化財群詳細
米海軍横須賀基地C1建物(旧横須賀鎮守府庁舎)
第一海軍区を管轄した横須賀鎮守府の庁舎。れんが造の庁舎が関東大震災で被災して、大正15年に鉄骨造で再建されたもの。施工は、横須賀を拠点に活躍した 馬淵組(現、馬淵建設株式会社)が担当。
米海軍横須賀基地C2建物
(旧横須賀鎮守府会議所・横須賀海軍艦船部庁舎)
昭和9年ころ建設の鉄骨造建築。1階は事務所で、2階は大空間をもつ会議所。
入口に「横須賀鎮守府会議所」、「横須賀海軍艦船部」という当時の表札が残っています。
入口に「横須賀鎮守府会議所」、「横須賀海軍艦船部」という当時の表札が残っています。
米海軍横須賀基地B39建物(旧横須賀海軍工廠庁舎)
海軍直属の工場である横須賀海軍工廠の事務所。この建物も関東大震災後の昭和2年に再建されたもので、鎮守府庁舎とともに海軍の技術力を示す当時の日本で最先端の耐震建築です。
海上自衛隊横須賀地方総監部 田戸台分庁舎
(旧横須賀鎮守府司令長官官舎)
歴代の鎮守府司令長官が使った官舎。洋館のデザインは、イギリスの貴族が好んで採用したチューダーゴシ ック様式です。
設計者はイギリス留学経験者の海軍技師で、建築史上に名を残す桜井小太郎。
設計者はイギリス留学経験者の海軍技師で、建築史上に名を残す桜井小太郎。
逸見波止場衛門 (市民文化遺産)
軍港の歴史と面影を伝える旧横須賀軍港逸見門の衛兵詰所。
「逸見上陸場」、「軍港逸見門」の表示板が残っています。
【もう一つのみどころ】
タイルの間の目地が曲面状で注目されます。覆輪目地という最高水準の職人技です。
【アクセス】
JR「横須賀」下車徒歩2分 ヴェルニー公園内
「逸見上陸場」、「軍港逸見門」の表示板が残っています。
【もう一つのみどころ】
タイルの間の目地が曲面状で注目されます。覆輪目地という最高水準の職人技です。
【アクセス】
JR「横須賀」下車徒歩2分 ヴェルニー公園内
東京湾要塞跡(国指定史跡)
① 猿島砲台跡 ② 千代ヶ崎砲台跡
首都東京と横須賀軍港等を防衛する陸軍の沿岸砲台群のうちの2砲台。着工年は、猿島砲台が明治14年、
千代ヶ崎砲台が明治25年。時代の異なる砲台が東京湾防衛と技術の歴史を解き明かします。
(写真:千代ヶ崎砲台)
【アクセス】
猿島砲台:京浜急行「横須賀中央」徒歩10分、猿島航路「三笠桟橋」乗船10分
千代ヶ崎砲台:原則一般公開なし
(写真:千代ヶ崎砲台)
【アクセス】
猿島砲台:京浜急行「横須賀中央」徒歩10分、猿島航路「三笠桟橋」乗船10分
千代ヶ崎砲台:原則一般公開なし
観音崎・走水地区の砲台跡
① 観音崎砲台第一砲台跡 ② 走水低砲台跡
東京湾口に位置する首都と軍港を守る東京湾要塞。このうち、観音崎第一砲台は明治13年に起工し明治17 年に竣工した、日本初の西洋式の砲台です。
(写真 : 観音崎砲台)
【アクセス】
観音崎砲台第一砲台跡:JR「横須賀」・京浜急行「堀ノ内」「浦賀」から京急バス「観音崎」下車 (県立観音崎公園内)
走水低砲台跡:京急バス「走水上町」下車徒歩3分(旗山崎公園内)
(写真 : 観音崎砲台)
【アクセス】
観音崎砲台第一砲台跡:JR「横須賀」・京浜急行「堀ノ内」「浦賀」から京急バス「観音崎」下車 (県立観音崎公園内)
走水低砲台跡:京急バス「走水上町」下車徒歩3分(旗山崎公園内)
東京湾第三海堡構造物
海堡とは、人工島に火砲を設置した海上砲台のことで、関東大震災で水没した第三海堡の構造物を引きあげて市内2カ所で展示しています。現代的にみても高い建設技術をみてとれます。
(写真 : 兵舎 「市内うみかぜ公園、市重文 」)
【アクセス】
京浜急行「県立大学」下車徒歩20分 (うみかぜ公園内)
京浜急行「追浜」下車徒歩30分(「追浜駅前」からバスで「追浜車庫前」下車徒歩5分 (夏島都市緑地)
(写真 : 兵舎 「市内うみかぜ公園、市重文 」)
【アクセス】
京浜急行「県立大学」下車徒歩20分 (うみかぜ公園内)
京浜急行「追浜」下車徒歩30分(「追浜駅前」からバスで「追浜車庫前」下車徒歩5分 (夏島都市緑地)
「ヨコスカ造舩所(ヨコスカ製銕所)」刻印れんが
「ヨコスカ製銕所」刻印れんがは、横須賀製鉄所創設期に生産された国産最古級のもので、フランスの規格の建築用れんが。
明治 4 年には「ヨコスカ造舩所」と名を変えて登場しますが、現存数は少なく極めて希少な遺産です。
【アクセス】
京浜急行「横須賀中央」下車徒歩10分 (横須賀市自然・人文博物館)
明治 4 年には「ヨコスカ造舩所」と名を変えて登場しますが、現存数は少なく極めて希少な遺産です。
【アクセス】
京浜急行「横須賀中央」下車徒歩10分 (横須賀市自然・人文博物館)
スチームハンマー(旧横須賀製鉄所設置)
① 0.5 トン片持形 (国重文) ②3トン門型 (国重文)
1865 年の横須賀製鉄所起工に伴い 1866 年にオランダから輸入した艦艇の建造・たんぞう修理のための鍛造用の機械です。近代造船と工業の第一歩を記す重要な遺産です。
【アクセス】
JR「横須賀」下車徒歩1分 (ヴェルニー記念館)
【アクセス】
JR「横須賀」下車徒歩1分 (ヴェルニー記念館)
米海軍横須賀基地1号~6号ドック
(旧横須賀造船所第一号~第六号船渠)
軍港の景観を特徴づける艦船修理用のドライドック(船渠)。幕府から明治10年代に建造された3基のドライドックは、日本最古の石造ドライドック群です。
近代造船所建築図面資料
横須賀や各地の近代造船所の建築図面資料230点
石井穎一郎氏寄贈近代造船所建築図面資料(市指定重要文化財)。
横須賀造船所の技術者に伝来した資料で、呉港、佐世保港、浦賀ドックなどの資料を含んでいます。
【横須賀市自然・人文博物館所蔵】
【アクセス】
京浜急行「横須賀中央」下車徒歩10分 (横須賀市自然・人文博物館)
横須賀造船所の技術者に伝来した資料で、呉港、佐世保港、浦賀ドックなどの資料を含んでいます。
【横須賀市自然・人文博物館所蔵】
【アクセス】
京浜急行「横須賀中央」下車徒歩10分 (横須賀市自然・人文博物館)
走水水源地
(煉瓦造貯水池・鉄筋コンクリート造浄水池)
明治9年に横須賀造船所までの7Kmを通す水道として完成後、横須賀軍港水道として拡張されました。
明治41年竣工の浄水池は、鉄筋コンクリート造の建物として、日本に現存する最古級の遺産です。
明治41年竣工の浄水池は、鉄筋コンクリート造の建物として、日本に現存する最古級の遺産です。
旧逸見浄水場(下記はともに国登録有形文化財)
①緩速ろ過池調整室 ②配水池入口など
相模川の上流(神奈川県愛川町半原)を水源とする軍港水道の横須賀市側の浄水地。
明治45年着工、大正10年に完成。建物は、ゼツェシオン(ウィーン分離派)様式による当時世界最先端のデザインです。
明治45年着工、大正10年に完成。建物は、ゼツェシオン(ウィーン分離派)様式による当時世界最先端のデザインです。
七釜トンネル
明治期・大正期・昭和期のトンネルが3本並ぶ独特な景観
JR横須賀線 田浦駅のホームから遠望できます。
①明治期(中央)、②大正期(右:複線化)、③昭和期(左:海軍施設への引き込み線用)の3本のトンネルが並んでいます。横須賀を代表するトンネル景観の一つです。
【アクセス】
JR「田浦」(田浦駅ホームより遠望のみ)
【アクセス】
JR「田浦」(田浦駅ホームより遠望のみ)
横須賀港周辺の絵図
横須賀港一覧繪圖明治12年官許 銅版画
横須賀軍港とまちの発展を今に伝える絵図で、観光マップとして作られたもの。
横須賀造船所には、全国から最新技術を学ぶ人々や観光客が訪れ、この観光マップをおみやげとして持ち帰りました。
【アクセス】
京浜急行「横須賀中央」下車徒歩10分 (横須賀市自然・人文博物館)
【アクセス】
京浜急行「横須賀中央」下車徒歩10分 (横須賀市自然・人文博物館)
記念艦「三笠」
海上自衛隊横須賀地方総監部 旧三笠艦保存所
明治35年(1902年)にイギリスで竣工した戦艦。明治38年(1905年)の日本海海戦において連合艦隊の旗艦として勝利に貢献。この勝利により日露戦争は終局に向かい講和が成立、日本は近代国家の仲間入りを果たす。大正15年(1926年)に「記念艦」となり、当時の歴史や建造技術を伝える近代化遺産。
【アクセス】
京浜急行「横須賀中央」下車徒歩20分
【アクセス】
京浜急行「横須賀中央」下車徒歩20分
鎮守府のラッパ (四市共通の構成文化財)
朝夕夜に、艦船上での国旗や自衛隊旗の掲揚と降納に合わせて港に響き渡るラッパの音は、鎮守府のまちならではの伝統を体感することができる。